東日本大震災に伴う原発事故の発生によって、日本の国民は、原子力がクリーンなエネルギーではないとの判定を下しました。これは、原子力がクリーンなエネルギーではないと言うよりも、日本の行政機構では原子力をクリーンなエネルギーとして運用できなかったと言った方が正しいのではないかと思われます。
それは、原子力の責任者が「想定が甘かった」と言うべきところを「想定外」と言うところに端的に表れております。
周知の通り、今回の原発事故は電源の喪失による原子炉の冷却系統の不全によって起こりました。
これは、電源が大津波で喪失することを予測できなかったことが原因ですが、貞観大津波の知識があれば防げたことです。
しかも、フランスでは万一の事故に備えて原発の周辺住民にヨウ素剤を配るなどの対策を行っていましたが、日本では「そのような対策を行えば、原発が危険であることを認めてしまう」としてそれをせず、結果的に多くの人を放射線に被曝させてしまいました。
このように、原子力はそれを用いる立場の人が幅広い知識と視野を備えており、かつ健全な考え方の持ち主であったなら、事故を起こすことはなかったかも知れません。しかしながら事故は現実のものになってしまいましたから、日本の原子力の関係者には、原子力をクリーンエネルギーにする能力がなかったということになります。